リスニングの勉強法について
今回はリスニングの勉強法について紹介していきます。
以下で様々な方法を紹介しますが、全ての前提条件としてレベルに合った音源を選んでコンスタントに続けることが一番大事です。
そのうえで各々に合った勉強法で力を伸ばしていきましょう。勉強を始めてすぐに点数が爆上がりすることはほとんどないので、最低2〜3ヶ月以上の時間を確保して計画的に勉強を進めてください。それが難しいのであればリスニング以外の勉強に時間を割く方がおそらくマシなので、試験前などで切羽詰まっているのであれば知識系の教科の補強をした方が点数は上がると思います。
今回紹介する勉強法は全て再現性の高い効率的な勉強法ですが、続けなければ何の意味も無いということは最初に強調しておきます。英語は特に勉強時間が成績に比例しやすい教科なので、大変ですがなんとか頑張っていきましょう!
①教材について
勉強を始める前にまずは教材を選定しなければなりません。塾に通っている場合は先生に言われた通りにやれば基本的に問題ありませんが、自学習する場合もあるでしょうからベースとなる選び方をご紹介します。
ー中学生の場合ー
学校の教科書の音源と自分のレベルに合った英検の音源で勉強すれば大丈夫です。3年生になったら北辰テストの音源や入試の過去問も活用していきましょう。ちなみにイキって洋楽とか聞いてもほぼ意味ないです。
ー高校生以上(大学受験)の場合ー
共通テストの音源や自身が使っている参考書の音源などをベースに勉強していきましょう。二次試験でリスニングがある大学を受ける場合は、ベースが出来たら過去問演習に特に力を入れるようにしてください。
ーTOEIC受験の場合ー
毎回同じようなシチュエーションの話が出るので、公式問題集をメインに学習を進めてください。TOEICはいろいろな教材がたくさん出回っていますが、500〜900点くらいのレンジなら公式問題集をやり込むだけで大丈夫です。いろいろな教材をやりすぎると消化不良を起こして失敗します。
500点取れない場合は470点レベルの参考書を1冊しっかりやりましょう。400点以下の場合は下手にTOEIC教材をやるよりも高校生向けの文法テキストをやることをおすすめします。
900点以上の方はアビメを見て足りない部分を地道に補強するくらいになると思います。公式問題集ではなく実際の過去問が欲しい場合は、韓国語で過去問が出てるのでそちらを購入するのも良いと思います。解説読めなくても答えさえわかれば問題なく使えるはずです。このレベルになると海外ドラマなどで多聴を始める人も多いですが、試験の点数を上げたいならまずは試験ベースの勉強に注力することをおすすめします。
②ディクテーション(文法に苦手意識がなければオーバーラッピングからでOK)
ディクテーションは聞いた英文の一部または全部を書き取る訓練方法で、特に弱く発音される部分の聞き取りの強化に有効です。
英語の発音には強弱が存在し、弱い発音はネイティヴでも聞き取れないほど曖昧に話されますが、ディクテーションをこなすことでそういった部分が聞き取れるようになります。
ネイティヴがなぜ本来聞こえない音を聞き取れるのかというと、経験を元に文法的処理を脳内で自動的に行ってるからなのですが、ディクテーション練習を行うことでそれと同じことが次第にできるようになってきます。またスペリングの確認にもなるので、他よりも時間がかかる勉強法ですが、効果は絶大です。
ただし、これはこの後の勉強法全てに通じることですが、始める前にスクリプトをしっかり確認してわからない単語や熟語、表現が無い状態にしてからはじめてください。スクリプト見てわからない単語が結構ある場合はレベルが合ってないので教材を変えましょう。
③オーバーラッピング
全ての基本となる音読ですが、オーバーラッピングは音声を聴きながら音声と完璧に重なるように音読する勉強方法です。まずは数回スクリプトを見ながら音源を聴き、各単語の発音やイントネーションを確認しましょう。最初は音声についていくのが大変かもしれませんが、これを口が追いつくまでひたすら繰り返します。どうしても難しい場合は再生スピードを落とすのもアリです。等倍以上のスピードで口がスラスラ動くようになったらその文章の音読を終了してOKです。中学生はここまでやれれば上等なので、必ずしもここから先のステップに進む必要はありません。
④read and look up
英文のフレーズを読み、その後それを見ずに復唱する訓練方法。この後紹介するシャドーイングの前にこの練習を挟むのが一般的です。後述するリピーティングも併せてやるとさらにリテンション強化につながり、効果が増します。
リテンションというのは、英文の記憶保持能力のことです。英語が苦手な人の多くはこの能力が低く、長文を読んでる最中やリスニングの聞き取り中に話題を追えなくなることが多いです。リテンションは頭の良し悪しに関係なく訓練で伸ばせるので、地道にこの訓練法を繰り返していけば読解にも活きてきます。
⑤リピーティング
音声を一部聞いてからそれを再現して音読する訓練方法です。read and look upとは異なりスクリプトを見ないで行うので難易度が上がります。
read and look up→リピーティング→シャドーイング(後述)→スクリプト暗唱と進められれば最高ですが、かなり負荷が高く時間もかかるので他分野の勉強時間との兼ね合いなども考えてどこまでやるかを判断してください。なおこの訓練単体でもリテンション強化には絶大な効果があります。
⑥シャドーイング
シャドーイングとはその名の通り、影のように音声の後に続いて音読をしていく勉強方法です。
この勉強方法は発音のルールやイントネーションを自然と身につけられるので、スピーキング力向上にとても効果的です。
④⑤と同様にリテンションも鍛えられるのでリーディングにも恩恵があります。ただし元々通訳者向けの勉強方法だったこともあり、非常に負荷が高く時間もかかるので上級者向きの勉強方法です。こちらに本格的に取り組むのは英検準1級レベルくらいからで大丈夫です。
⑦英文暗唱
その名の通りスクリプトの暗唱を行う勉強方法で全ての仕上げです。シャドーイングまで比較的短時間で済んだ場合や出題傾向が明確な試験に臨む場合はここまでやっても良いと思います。この勉強法はTOEICのLで450点以上取りたい場合や学校の定期テストで満点を目指す場合に特におすすめです。TOEICは似たシチュエーションの問題が多く出題されますし、定期試験は基本的に出る英文がわかっているので非常に効果的です。ただしやはり時間がかかるので、高校生以下の場合は普段はオーバーラッピング程度までにしておいて、速読英単語の文のみを暗記するなどスポット的に取り組むことを推奨します。
以上、初学者から上級者までのリスニングの勉強法でした。後半の勉強方法は効果が高い反面その分負荷も高いので、初学者は1つの文章を1日10回オーバーラッピングするところからはじめましょう。
繰り返しになりますが、とにかく続けることが大事です。一気に良くなるものではないですから、無理のない程度のノルマを設定して淡々と勉強を進めていってください。
皆様の成績が上がることを心より願っております。
漸進会 塾長